2013年11月20日水曜日

女子地球




女子地球

「そろそろみんで集まって「会(カイ)」しようよ。」

「そうね、久しぶりに「会(カイ)」しましょ。」

「じゃあ私の家はどうかしら?最近、料理にハマってるの」

「えー!サチエが料理?ちょっと、「力(リョク)」上がったんじゃないの??」

「じゃあ、ミキとヨッシーに連絡しとくわね。」

以前まであらゆる言葉のあたまに「女子」がついていた。
女性の何かしらのスキルを「女子力」と呼び、女性ばかりが集まり食事や酒を飲む事を「女子会」、そこでの会話を「女子会話」、、とは言わずに「ガールズトーク」と呼んだ。

しかし、いまやそれに呼応する「男子」が存在しなくなったために、「女子」をつけることが省略されるようになった。
様々な「女子」というジャンルが確立されたが、「女子花火大会」の存在を知ったある夏、私はさすがにどうかしてると思った。
それは、なんでも会場をピンク色に統一し、化粧室には無料で試せる化粧品、屋台には美容効果のある料理が並び、あたりはアロマの香りが漂うとのことだった。

「女子」は大きなマーケットだった。
そして女子のすべてにおいて「女子」にしたいという欲求の果てに、とうとう女子だけが住む「女子地球」が造られ、そのイデオロギーは否応無しにすべてに作用することとなり、最終的に「女子」をつける必要がないということにおちつき終焉した。

ちなみに女子地球の大気には「女子酸素」が豊富に含まれているのだが、それは彼女たちが地球(いまや「男子地球」、、、とは言わないが、、)に住んでいたときに彼女たちの間で大ブレークしたスプレー式のピンク色の缶に入ったアロマの香りがする人為的に造られたスペシャルなO2で、女子がこぞって四六時中顔の周りに噴射したそれは驚異的な売り上げをみせた。
そしてその製造元の「Girls Talk Inc.」の莫大な資本が「星」を造った。




0 件のコメント:

コメントを投稿

注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。